「ダイエットって結局何から始めればいいの?」
そんな疑問を持つ方に向けて、この記事では現役パーソナルトレーナーの視点から、“理論的に痩せる”ための5ステップを解説します。
感覚や根性に頼らず、エネルギー収支・代謝・習慣化といった仕組みから逆算して、無理なく続けられるアプローチを提案します。
1. 消費カロリー>摂取カロリー|ダイエットの絶対法則
体脂肪を1kg落とすには約7,200kcalの赤字が必要です。
たとえば、1日あたり500kcalの赤字をつくると、7200 ÷ 500 = 約14.4日、つまり約2週間で1kg減る計算になります。
この赤字は食事を減らす・運動で消費を増やす・その両方でつくれますが、どれか一方だけに偏ると継続しにくくなります。
たとえば、1,800kcalの摂取に対して、2,200kcalを消費すれば、1日で400kcalの赤字。18日ほどで1kg落ちる計算です。
2. 食事管理の黄金比|PFCバランスを整える
ダイエットでは「カロリー」よりも「中身」が重要です。
PFCバランスとは、タンパク質(Protein)・脂質(Fat)・炭水化物(Carbohydrate)の摂取比率のこと。
減量期の目安は以下:
- タンパク質:体重×1.5〜2.0g(例:60kgの人なら90〜120g)
- 脂質:総摂取カロリーの20〜25%
- 炭水化物:残り(体と脳の主なエネルギー源)
たとえば1日1,800kcalに設定するなら、
・タンパク質120g(= 480kcal)
・脂質40g(= 360kcal)
・炭水化物240g(= 960kcal)という配分になります。
極端な糖質制限ではなく、「栄養素を揃えて代謝を止めない」ことが理論的なアプローチです。
3. 運動は「燃やす」より「代謝を上げる」が正解
1時間のウォーキングで消費できるのは約200〜300kcal。
コンビニのおにぎり1〜1.5個分にすぎません。
一方で、筋トレで筋肉量を増やすと、基礎代謝が1日あたり50〜100kcalアップすることもあります。
例えば筋肉量が2kg増えた場合、基礎代謝は約100〜150kcal/日 増加。1ヶ月で3,000〜4,500kcal=脂肪0.5kg〜0.6kg分を自動的に消費できるようになります。
つまり「その場限りの消費」ではなく「燃えやすい体」になることが、時間と結果の効率を最大化します。
4. 「習慣化」しないダイエットは必ず失敗する
モチベーションに頼るダイエットは続きません。脳科学的に見ても、人間の行動の9割は「無意識の習慣」です。
そこで重要なのが、次のような仕組み化:
- 朝起きたら体重を測る
- 水を1日2リットル飲む
- 夜は炭水化物を控える
- 週3回、同じ時間に15分だけ筋トレ
「いつ」「どこで」「何をするか」を決めておくことで、脳は“抵抗”を感じずに行動をルーチン化します。
5. 体重よりも「見た目の変化」を追え
筋トレをすると一時的に体重が増えることがありますが、これは筋肉が水分を蓄える性質によるもの。
逆に言えば、体重が増えても見た目が引き締まっていれば成功と言えます。
体脂肪は1kgで約13cm³。筋肉は同じ1kgでも、よりコンパクトなため、体積の違いで見た目の変化が大きく出ます。
週1回、ウエスト・ヒップ・二の腕などをメジャーで測ったり、鏡で全身を撮影することで、体重に一喜一憂せず“本質的な変化”に気づけます。
まとめ|痩せる順番とロジックを守れば、誰でも成功できる
ダイエットは「がんばる」より「組み立てる」が本質。
適切なゴール設定 → 食事の見直し → 代謝アップ → 習慣化 → 評価方法を変える。
この5ステップをひとつずつ着実に進めていくことで、無理なく・戻らない・見た目が変わるダイエットが実現できます。
理論に基づいて行動すれば、結果は必ずついてきます。
「食べてないのに痩せない」「頑張ってるのに変わらない」そんな人ほど、この順序を見直すことが成果への最短ルートです。